整理解雇について(ブログ)

 100年に一度という大不況は、当社の会員企業様にも襲い掛かっています。
 巷では、「内定取消」「派遣切り」「ワークシェアリング」などが問題となっています。

 


 整理解雇とは法律上の用語ではなく、裁判での判例によって浮上してきた労働慣例での用語です。バブル崩壊後に「リストラ」という用語が定着しましたのでその方が最近では通りがよくなっているかもしれません。

 

 

 ただし整理解雇を行うためには、最高裁判所が下した「整理解雇の四要件」を満たさなければいけません。この要件を満たさないと「不当解雇(解雇無効)」となってしまいます。

 

 

 

 

 

  ●整理解雇の四要件

 

1.人員整理の必要性  
 人員整理は基本的に、労働者に特別責められるべき理由がないのに、使用者の都合により一方的になされることから、必要性の判断には慎重を期すべきであるとされています。
あらゆる手を尽くしたが人員整理をしなければ倒産してしまう、という差し迫った状況であることが必要です。もしくは、現在の人員体制では近いうちに経営危機に陥ることが必至であるというような、高度の経営危機下にある場合には人員整理の必要性は認められる傾向にあります。
その判断は経営者の主観であってはならず、人件費割合が過剰であるかどうかなど客観的な判断が必要となります。

 

 

2.解雇回避努力義務の履行  
 期間の定めのない雇用契約(いわゆる正社員)の、人員整理(解雇)は最終選択手段であることが必要です。
例えば、役員報酬の削減、新規採用の抑制、希望退職者の募集、配置転換、出向等により、整理解雇を回避するための経営努力をして、人員整理(解雇)に着手することがやむを得ないと判断される必要があります。

 

 

3.被解雇者選定の合理性  
 解雇するための人選基準が合理的で、具体的人選も合理的かつ公平でなければなりません。
整理解雇は人件費の削減のために行うものであって「○○さんを辞めさせたい」というように特定の従業員を選別して辞めさせる手続きではありません。その選定基準は、各企業によって大きく異なるため一概に言えるわけではありませんが労働は人間の尊厳にもかかわりますので、慎重さが求められます。
例えば定年後の再雇用者を対象とする場合「Aさんは特殊技術があるから対象にしない」「Bさん・Cさんは特殊技術がいらない部署だから対象にする」といった基準はある意味合理的ですが、その選定基準を明らかにする必要があります。
従業員に不公平感を持たせない、という事を重視しましょう。
「能力のない従業員をこの際、まとめて解雇したい。少数精鋭でこの危機を乗り切りたい」というのは、経営者側のもっともな考えですが、「能力のない」という判断基準を明らかにしなければ「不当解雇」と言われてしまう可能性も高いでしょう。

 

 

4.手続の妥当性  
 整理解雇については、手続の妥当性が非常に重視されています。
例えば、説明・協議、納得を得るための手順を踏まない整理解雇は、他の要件を満たしても無効とされるケースも多いようです。
「解雇は30日前に予告すればいいんでしょ?」とのご質問もよくありますが、やはり30日より前に、説明会などを開催した方がいいでしょう。

 

 

 

  ●実施に当たっての注意事項

 

整理解雇の四要件は整理解雇を行なうことについての必須用件でありそれを満たせば可能ですが、解雇について就業規則に明記することが定められたことにより、整理解雇も就業規則に明記が無ければ、無効となります。
貴社の就業規則の解雇の事由には、その記載がありますか?