業務上の自己と示談

 トラブル

Q; 社員が営業途中で車にはねられてしまいました。労災の請求をする予定ですが、加害者側との示談も考えています。示談をするにあたっての注意点などはありますでしょうか。

【回答】

    示談を行なう場合は、その金額や内容をよく確認してから行ってください。
    示談の内容によっては、労災保険からの給付が一切行なわれなくなるケースがあります。

 

【解説】
    示談の内容が、全ての填補を目的としたもの(全部示談)である場合、示談額以外の損害賠償の請求権を放棄することになります。

 

    この示談が真正に成立した場合は、示談成立後労災保険給付は一切行われません。

 

    安易に示談を成立させてしまうと、将来的に示談金以上の治療費や所得補償が必 要となった場合でも、つまり労災保険の給付額が見込まれても、労災保険からの給付を受けることが出来なくなります。

 

 

    言い換えれば、全部の填補を目的とするものでない場合は、示談額を超える部分 については、保険給付が行われます。

 

 

    また、労災保険から給付がある場合、労災保険の支給元(政府)は加害者側に対 して給付に要した費用を請求します。これを「求償」と呼びます。

 

 

    加害者と示談を締結する場合は、示談書に全部の填補を目的としない旨、政府からの求償に応じる旨の一文を含めることが重要になります。

 

 

    例えば、 「今後、現時点で予見不可能な二次損害が発生した場合、被災者は、政府に対して労災保険給付を請求する。加害者は、政府からの求償があった場合、これに応じる」といった内容になります。

 

    上記以外の点も含めて、示談を行う場合の注意点をまとめると以下の様になります。

 

  (1)事故発生直後
   ・加害者の確認をすること
   ・発生直後において性急な示談に応じないこと
   ・金品を受領するときは、見舞金、治療費等名目と金額をはっきりとさせておくこと

 

  (2)交渉準備
   ・出費の記録、領収書の保管を行うこと
   ・損害賠償の請求を行う一方、相手の資力も調査しておくこと

 

  (3)内容の検討、決定
   ・損害項目ごとに交渉する。
   ・最低譲歩額を決定しておくこと
   ・後遺症の交渉は慎重におこなうこと
   ・全部示談とする場合は、追加発生する費用がないかよく考えること
   ・全部示談としない場合は、その旨と求償に関する内容を盛り込むこと

 

  (4)示談書の作成

   ・内容をよく確認して判を押すこと

 

  (5)示談金の授受
   ・示談金の内容を明確にすること

 

2011年

12月

19日

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