パートタイマーの休日振替と休業について

Q; パートタイムで働く従業員には、業務の都合で出勤日を変更してもらったり、業務を途中で切り上げて早く帰っていただいたりしています。

    先日、とあるパートタイム従業員から、急に休めと言ったり、業務を切り上げさせるなら、その分の休業手当の支払いが必要なはずではないか…と、問い詰められたのですが、今後どの様にすればよいでしょうか。

 

 

回答

 休業命令と休日振り替えの取扱を明確に区分して運用する必要があります。

 

 

解説
 パートタイマーか正社員かに関わらず、従業員を会社の都合で休業させた場合には、労働基準法により休業手当を支給する必要があります。また、全日休業させた場合に限らず、一日の内の一部を休業させた場合であっても原則として支払い義務が生じます。

 

 一方、就業規則の規定に則って、あらかじめ出勤日を休日と取り替える「休日振り替え」を行なう場合は、会社都合により休業を命じたのではなく、所定の休日を与えたことになり、休業手当の支払いは不要となります。

 

 

 休業命令であっても、休日振り替えであっても、業務の都合により行う点には違いありませんが労働日が減少することで、賃金収入の減額が生じるか否かという点に大きな違いがあります。

 

 

 休業命令では、休業によって賃金収入が減ってしまうので、所得補償として休業手当が必要とされます。

 休日の振り替えは、理屈の上では、所定の労働日数が減少しないため、所得補償 は不要という考え方です。

 

 

 

 また、業務の切り上げを命じる場合、これは一部休業を命じたことになります。

 一部休業の場合にも、原則として休業手当の支払いが必要となりますが、その日の労働によって得た賃金額が休業手当の額を上回っている場合には、休業手当の支払いは不要となります。 

 

 

休業手当の額は平均賃金の1日分の6割にあたります。 平均賃金とは、前3ヶ月の賃金総額をその3ヶ月の暦日で除した額が原則とされます。

 

  (パートタイマー等の日給・時給で勤務する場合は、前3ヶ月の賃金総額をその3ヶ月間の勤務日数で除した額の6割が最低保障額とされます。つまり、原則と最低保障額の高い方がパートタイマーの平均賃金です。)

 

 

 実労働分の賃金によって、平均賃金の6割に相当する額を確保出来ている場合には、それ以上の所得補償が不要として、休業手当の支払いが免れることとなります。

 

 

 

 休業命令・休日振り替えの違いと、休業手当の額についてご説明いたしましたが、上記を踏まえて、業務の都合により出勤日や労働時間を変更する場合には

 

  ・与えた休日と、振り替えるべき出勤日をあらかじめ指定しておくこと
  ・休業命令をせざる得ない場合は、休業手当の額を明らかにしておくこと

 

 

にご注意いただければ、よろしいかと思われます。